世界一変わったスイングでぶっ飛ばす!マシューウォルフのスイング解説
テイクバック変則?〜ダウンスイングは超一流??
皆さんおはようございます!新年はいかがお過ごしでしょうか?今朝は箱根駅伝を見ながらコラムを書いています。
今日、気になった選手は、マシューウォルフ選手です。2019年、20歳の時にオクラホマ州立大で全米大学選手権(NCAA)を優勝後に退学してプロ転向、3試合目にして3Mオープンで優勝した「ライジングスター」です。
変則のスイングも有名で!「このスイングで勝てるんだ!」と驚いた人も多かったでしょうね。
ヘッドスピード53.6m/s(120mph)でボールスピードも81.8m/s(183mph)のパワーで強烈なドローボールを打って来ます。
飛距離も335ヤード〜350ヤードくらいは出るようで!飛ばし屋で有名なキャメロン・チャンプに負けず劣らずですね。デシャンボーと合わせて生で見てみたい選手の一人です。
このスイングは見たことがあっても、ジュニア時代のスイングも含めて昔からこのスイングなの?って知らない人も多いでしょう。私もこの選手が気になったので、詳しく調べてみました。
ジュニア時代の成績から紹介します!
ジュニア時代の1番の成績は、全米ジュニア選手権の準優勝でしょう。当時18歳で決勝まで勝ち上がってきたウォルフは残り7ホールの29ホール目まで4アップリードしていました。
30ホール目からの5ホールで4つホールを落として34ホール目で追いつかれて、最終ホールのティーショットを池に入れて痛恨の大逆転負けをしました。
マッチプレーの勝敗は流れで決まるとは言いいますが、この負け方はショックでしょうね。
でも、この当時の映像から今のスイングと変わらないからすごいです!
大学に進学後の1年目も2位が4回と安定した成績を出しました。大学の2年生になってからは、3回の優勝を果たしてNCAAランキングのNO.1選手にまで上り詰めます。
そして、7月に大学を退学して推薦出場でPGAツアーデビューをしました。
迎えた3戦目の3M選手権で最終日をコリン・モリカワと同じ組でラウンドします。1つ前の組には、デシャンボーもいて3人の優勝争いを繰り広げました。
そして最終ホールをウォルフは、なんと!イーグルで締めくくって最終日を65の7アンダーでラウンドして、トータル21アンダーで初優勝を果たしました。
◎Matthew Wolff’s winning highlights from 3M Open 2019
ガンカスとウォルフ自身によるスイング解析を聞いてみましょう!
この変則スイングは彼自身が考えたのか?14歳の時に、彼はあるコーチのところに連れて来られました。ジョージ・ガンカス(GG)「GGスイング」ってすごく流行りましたが、その発案者のコーチです。
では、ガンカスがウォルフのスイングを作り直したのかというとそうではありません。
連れて来られたときは「すでに今まで見たこともないくらい病的なスイング/I thought it was the sickest swing I’d ever seen」だったそうです。
そこで、ガンカスは、親に「今から全てをひっくり返すようなスイング改造はしません。彼の良さを引き出しながら、より洗練されたスイングにしていきます」と言ったそうです。
スイングを大きく変えたりしないのは、重要で、できるだけその子がやりたいようにスイングさせた方が、個性的でも伸びるということです。いきなりGGスイングとか?やらないほうがいいかもしれません。
ガンカスは指導者としても優秀で、ウォルフ以外にもインド系アメリカンのアクシェイ・バティア/Akshay Bhatiaも教え子です。2018年の全米ジュニアを準優勝したバティアについては、次に紹介します。
◎Matthew Wolff’s entire range session at John Deere 2019
タイガーの元コーチのクリス・コモがインタビューしています。
さて、タイガーの元コーチのクリス・コモがガンカスとウォルフに興味深く質問しています。その動画を見てみましょう!
1.スイングのきっかけ/The trigger)
さて、ショットに入る前に彼は特徴的な、体全体を開く動作をします。これは、インパクトでスイングが詰まらないように、身体全体をオープンにするためのプレルーティーンで、「以前からジャンプする癖もあったけど、このプレルーティーンをきっかけにスイングを始動する事で体全体を左に回転して、気持ちよくスイングできるんだ!」と本人は話しています。
2.回転/the turn
自分のスイングは、右足は動かさずにスクエア(正面に向けた)ままで、お尻も回転させずに正面を向けたままで左足を前に折って、体全体を回して深いトップを作るようにしています。
コーチに習う前は、ダウンスイングでしっかりと回転ができずに、そのまま体が伸び上がって、右プッシュのミスが多く見られました。右へのミスを嫌って、手首を負フリップして、逆に左に引っ掛けたり。手首を固めてまた右へミスを繰り返していました。
そこで、コーチ(ガンカス)は、私に「まずは、お尻と肩など全てをフルに回転させるように!」とアドバイスしました。そこから一気にダウンスイングで体を捻り戻していきます。
手首/the wrist
「手首を使いすぎない事で、右へのミスが出ることを、体の回転を覚えて減らすことができたのは、フェース面がスクエアに安定させることができたからか?」
というコモの質問に対して、ガンカスは
「彼のグリップは、一見するとかなりウィークグリップに見えるけど、そこは触らないで、このままだとトップの位置からクラブフェースが開いてダウンスイングするので、右にプッシュアウトしないように、左に回転することを教えたんです。彼にとってはそれが自然にできるようになりました。」
と答えています。口語文を日本語に訳してあるので、内容がうまく伝わればいいのですが・・・
※日本語に翻訳は難しい・・笑
◎スマッシュ!/the Smash
さらにガンカスは、トップスイングからの切り返しを・・
「彼は、バックスイングで体を捻り切ったら、切り返しで足を開いて、地面を掘るような?動作をします。(写真上)これで上半身が下半身の上に乗ります。ダウンスイングでは、右のベルトのバックルの上に体重を乗せながら、一気に地面を蹴りながら回転する事でパワーを得られます。」
と話しています。この辺りは動画を見た方がわかりやすいと思います。
◎Matt Wolff”Swing Expedition with Chris Como
いかがだったでしょうか?お正月早々、スイングレッスンを見る人も少ないとは思いますが、春のラウンドに向けて、自分のためにいろいろインプットしておこうと思います。
でも、人真似ではなく自分のスイングをいかに磨いていくかが大事ですね。「病的なスイング?」でもPGAツアーを勝てるのですから!
PS
ジュニアの皆さんは、英語の勉強は、こういった動画や海外のゴルフ記事を見ながら訳すと頭に入ると思います。学校のテキストよりも読みやすいです。試してみてください。